特別教練−スペシャル・インストラクション−

 合皮製のその袋の中には、人を殺す凶器、が入っている。

 警察官の訓練の中には、射撃がある。
 青木は、実を言うとこの訓練は好きではなかった。射撃自体が不得手と言うこともあるのだが、それ以前に「対象物が自分の発射した弾丸で射抜かれる様を見ることを強制されること」が、とても不愉快だからだ。それはつまり、自分が殺す人間−いきもの−を殺した人間−生命反応のない物体−に変化してゆく一部始終を視覚だけで確認するという、不条理極まりない瞬間を網膜に焼き付けなければならないからだ。実際に経験したことはないけれど、この手で縊り殺したり刺し殺した方が、まだ『殺した』実感があってマシなのかも知れない、とさえ思う。
 青木と銃との関係は、戦時中の海軍飛行予備学生時代に始まる。いかに戦中だとて、内心戦争がいやで仕方のなかった青木は、その心中とは裏腹に、戦闘機の機関銃までも操る技術を得た。そして、今では市井の安全を守るため、拳銃携帯を許可される身分である。皮肉なものだと、思う。しかし、それは同時に警察官という己の指名を遂行するために必要なのだと、警察官−自分自身こそが死んではならないから銃を持つものには銃で対抗するのだと、青木は納得している。

 ふわあ。
 青木はあくびをひとつし、目を擦る。ここは暖かいし、今日は事件もなく平和だ。
「おい青木」
 冷たい寒風もだいぶ和らぎ、やわらかな日差しが顔を覗かせる季節の昼下がり。捜査一課も今日は珍しく平和だ。たいして面白くもなさそうな顔で新聞を読んでいた木場が、傍らで日誌を書いていた青木を呼ぶ。
「はい?」
「暇だな」
 ふん、と詰まらなさそうな視線を新聞にやりながら、木場は言う。
 あくびがばれてるのか。
 青木は少し赤面しながら、そうですねえ…と鉛筆で己の頭を掻いた。
「なんだ、二人とも。暇そうだな」
 その声に揃って声の主へと顔を向ける。窓を背にして苦笑するのは、大島課長である。
「お前ら、そんなに暇ならこの際に射撃訓練消化しとけよ」
「あー…そういやここのところ、やってないっすわ」
「ですね」
「特に木場、お前今度のガサ入れに、助っ人要請来てるぞ。四課の課長から。鍛えとけよ」
「うぃーっす。…って、またですかい」
「暇で腐ってるよりは良いだろう」
「そりゃそうすけど…どうせ朝倉当たりが言い出したんでしょう。四課も、きちんと新人養成しとけってえの」
「まあ…先輩なら四課でも十分、即戦力でやってけますもんね」
 主に風貌で。
 青木だその一言を飲み込んだのは、先輩に対する配慮というものであろう。
「うるせえよ坊主…じゃ、早速行って来ますよ。面倒ごとはサッサと片づけるに限る。青木、行くぞ」
「は、はい。じゃ課長。行ってきます」
 おう、がんばってこいな、と大島は笑顔で見送り、うららかな東京の空を眺めた。
 昭和の二十八年。武装解除ももう8年の昔ではあるが、未だ旧軍の武器流出ルートや、海外から齎される違法武器所持が後を絶たない。警察との銃撃戦も、戦後直後の比べたら無くなったに等しいが、未だあるにはあるのだ。大島はその事実にため息をついて、己の席に着いた。




「あ…!」
 がらりと射撃訓練場の扉を開けた途端、青木が緊張と嫌悪をない交ぜにした、微妙な声を出した。
「なんでえ小僧」
 木場が訝しげに青木の方を見やると、実にイヤそうな顔をしていた。木場は、青木のこんな表情を滅多に見ない。没感情的な性格とは真反対の青木だが、表だって露骨にイヤな感情を表立って出すことは殆どと言ってない、優等生的な青木が滅多にする顔ではない。しかし、次にはそれを理解することとなった。
「よお、坊や。こんなところで珍しいじゃないか」
「郷嶋か…」
 若い刑事の銃整指導をしていた郷嶋が、にやりと笑い声をかけてきたのだ。青木の嫌悪の根元である。木場は納得する。
「…郷嶋さんこそ、こんな正規の場所で練習なさってるとは思いませんでした」
「どういう意味だよ青木…ってなんとなく解るけどな」
 突っ込みかけた木場だったが、なんとなく解る。もっとアンモラルな所で発砲してそうだ、郷嶋なら。
 仮にも同じ公務員なのに、なぜかそんな想像へと容易に展開できる男を見ながら、木場は思う。
「失礼な奴らだな。大小揃って教官役の俺に向かって」
「大小ってなんですか。っていうか、教官?」
 訝しげに青木が問う。
「今日はうちの新人指導だからな」
 柔和な笑みをたたえた初老の刑事が代わりに答える。公安の砂川警部だ。年の割に締まった身体のこの警部は、対テロ特殊部隊である元・警官突撃隊隊員で、二.二六事件の日が初配属の日だったという。
「あ、砂川さん…」
 青木が見やると、砂川の傍らにいた三人の若い刑事が挨拶をする。谷中と小松と喜多村。郷嶋の部下で、木場も青木も顔なじみである。
「あっれー木場さんに青木君だー!お疲れ様ですー!」
「…っす」
「おっつかれです」
 3人は手を休めて2人に挨拶する。 
「なんでえ、教練中なら邪魔して悪かったな。失礼したぜ」
 木場が申し訳なさそうに砂川に詫びる。
「いいや、構わんよ。空いてるから、使いな。ちょうどヒヨッコの訓練にぴったりの比較サンプルだしな」
「さんぷる…ですか」
「どういう事でぇ。砂川さんよ」
 砂川の言う意図がわからず、首をひねる二人と同じように、若い三人の刑事も腑に落ちないといった風体である。
「こういうことだ」
 ぱあ…ん!
 乾いた銃声が一発、響いた。
 先ほどと寸分変わらぬ優しげな微笑みのまま、砂川は素早く懐にやった手を引き出し、無造作に標的を見もせず、発砲したのだ。ちょうど、射撃訓練をしていた三人の刑事のうち、真ん中の喜多村と右側の谷中の間をすり抜ける様に、撃った。
 突然の出来事で、木場と青木は面食らう。それでも反射的に身を低くして身構える。三人の若手は、状況すら飲み込めずに唖然とそのまま固まっている。
「な、違いがわかっただろ。郷嶋除いて、全員不合格。再訓練だな」
 言われて青木が郷嶋の方に慌てて視線をやる。郷嶋は身を伏せた格好で、照準を砂川に迷うことなく当てていた。
「ヒヨッコども、これで解ったか。再訓練ってのを」
 郷嶋が、パンパンと体を払いながら立ち上がって言う。
「…な、なんなんですか、いまの?」
 青木は訳もわからず、それでも身構えたまま非難する。
「お前ら一課組は…60点ってとこだな」
「ああ?何言ってんだ、砂川のオッサン。それより、どういう事か説明しやがれ」
 木場も眉根を寄せる。
「つまりだな、今の突然の発砲に対して、どのように反応するか、って言うのが俺たちのやってる訓練なんだよ。銃声と同時に身を伏せて応戦体制に入る。これは基本の基本だ。そう言う訓練を、新人のヒヨッコたちにしてるとこだったんだよ」
 郷嶋は己の持つFN ブローニング・ハイパワーを肩に乗せて代わりに答えた。
「それをいまいち解ってなさそうだったんでな。実地で見せてみたのさ。木場たちは、銃声で身構えた。こいつらは修羅場の場数踏んでるからな、普段の経験則から自然に知っている。郷嶋は経験に加えて、訓練した結果だ。そしてお前らヒヨッコは、どっちもない白紙状態って事だ。経験の差って言うのは、そりゃどうしようもない。だから訓練で補うのは、こういう事だわな」
 砂川は、警官突撃隊時代からの愛銃、小さなFNポケット・モデルM1906の柄を手のひらにトントン拍子を取る様に軽く打ち付けながら、解説する。
「はあ、でも今の危ないじゃないですか」
「そうですよー。いくらなんでもー」
「…危険っすよ」
 若手三人は、緊張の解れた顔で口々に文句を言う。そんな三人を見る砂川の視線が、一変した。
「馬鹿野郎、危険もクソもあるか。そりゃ、今のは危なくねえかって当然危ねえよ。だけどよ、テロ食い止めるのが俺たちの仕事だ。向こうが危険で問答無用で来るなら危険の対処法くらい、危険になって当たり前だろうが。俺たちはテロルから治安を守る。そのためにゃあ、死んじゃいけねえんだ。手前が死んじまったら守れねえからな。だから、訓練するんだろうがよ。気を許すな、甘えるな。肝にすえとけ馬鹿野郎」
 余りの眼光と鋭い啖火に、若手三人は押し黙った。青木と木場も、砂川の豹変に驚く。温厚な彼の意外な一面を初めて見た。
「まあなあ…」
 押し黙った一同を、申し訳なさそうに見渡した砂川は、頭を掻きながらぼやく。
「お前らに実感がねえって、怒鳴っても仕方ねえってわかってんだよ。戦後になってから、突撃隊は解体されて実権はアメリカさんが良いとこ持ってっちまったしよ、なにしろお前らの世代はもう軍事訓練受けてねえ時代だろ」
 そう言って、ため息をついた。
「お前の世代ぐらいまでか?青木」
 突然に話を振られて、青木は動揺する。
「あ、は、はい…でも、僕は予備学生だったので…」
「って事は、ギリギリの線か。同い年の奴らだと就役年齢じゃないしな。ってことは…青木と、郷嶋たちの間の世代ぐらいまでなんだよな、即戦力ってのは」
 砂川はぼやく。老警部の言う即戦力とは、文字通り銃撃戦で最低戦力になり得る訓練を受けたもののことである。それは兵役に付いた世代以上のことを、砂川はここで指しているのだ。
「まあ、なんにせよ。死なせねえようにビシビシ行くから、覚悟しとけよ」
 砂川の笑顔に、三人の刑事は泣きそうな顔をした。
「おら射撃続行だ、お前ら」
 愉しそうな郷嶋の声が響いた。
「俺たちも、始めるか」
「そうですね」
 大変な時に紛れ込んでしまったものだと、一課刑事たちはため息をついた。

「…っち、どうも苦手だな」
 隣で木場がぼやく。S&W M10が、ごとり、と重たい音をさせて机の上に降ろされる。
「え?どうしたんですか」
 丁度打ち終わったばかりで、弾込めをしていた青木は顔を上げる。
「いや、俺ぁ短筒は苦手でよ。モーゼル持ってたことは持ってたけどよ、なんつっても三八が一番長かったからな」
「ああ…先輩、歩兵でしたもんね」
 三八とは三八式歩兵銃。木場が一番長く馴染みのある武器だ。それを杖代わりに南方のジャングルを彷徨い、余りの重さと的より飢餓の方が恐ろしい飢餓戦線において、あまりの役立たなさに苛立ってクリークの中に突き落として沈めたことが、今でも木場の脳裏に浮かぶ。取っておいた銃弾の方が、魚の発破漁で活躍したものだった。
「ちょいと右に寄れる癖があったけどよ、あれはかなり良いヤツだった」
 しみじみと木場は思い出す。射撃訓練で一等賞状を貰った若き日の記憶がよみがえり、ついでにその報賞金を榎木津と共に淀橋の大衆酒場で飲み費やしていた時に、川島新造と出会った事まで昨日の様に記憶が蘇るのだった。
「タイプ38か。俺は撃ったこと無いけど、命中精度高いんだってな」
 郷嶋が声をかけてくる。
「おう、一時期九九式も試したけどな使いやすかった…って、てめえ教練はどうした」
「休憩だ休憩。お、坊やのくせに良いもん使ってるな」
 青木が手にしているのはコルト・ディテクティブスペシャル。その名前の通り、刑事の護身用銃で軽量小型である。
「坊やじゃありませんし。くせに、って失礼じゃないですか」
「なんだ珍しいな、リボルバーの癖にシングルアクションで撃ってるのか。面倒だろう」
 青木の憮然とした顔で起こした抗議にも涼しい顔で、郷嶋は青木の手首ごと掴んで、その銃を見つめる。
「だから選んだんです」
 む…とした顔のまま、青木は答える。
 普通リボルバーは、ダブルアクションリボルバーと呼ばれるトリガーの重さを逆に利用し、安全装置を省いた作り方をしているものが主だ。青木が警官となり拳銃を貸与される時に、全てリボルバーであった拳銃から、唯一安全装置を付けた、今の銃を選んだ。それは青木なりのこだわりだった。安全装置を自分で外すという意味を、忘れない様に。
「へえ…こだわりだな」
 郷嶋はそう言うと、くしゃり。青木の頭を撫でた。
 なんだっていうんだ。
 慌てて髪の乱れを直した青木は、もしかしたら自分の思いを判ったのかも知れない、と赤面した。自分だけの、小さな抵抗だったのだ。
「おい青木、サボってねえで続きだ続き」
 なぜだか不機嫌そうに、木場は怒鳴る。
「あ…はい!」
「丁度良い、二人ともちょっと顔貸せ」
「はぁ?」
 郷嶋の突然の提案に、青木たちは顔を見合わせる。
「おいヒヨッコ共!こっち来い」
 砂川に連れられ、三人は何事かと駆け寄ってきた。
「ほい問題、こいつらとお前ら…と言うか俺ら。違いはなんだ?」
 は?
 三人は顔を見合わせる。
「相談しても良いぞ」
 砂川が微笑みながら言うと、三人は額を寄せて談義し、そのう谷中が挙手する。
「谷中。なんだ」
「えっとー…僕らはオートマですけど、木場さんや青木さんはリボルバー使ってらっしゃいますよね」
 おずおずと鬼教官に答える。
「第一段階は合格」
「よ…よかったー」
 三人は手を取り合って喜ぶ。それもつかの間、厳しい教官の声が喜びを引き裂く。
「次。どうしてか」
「え…?」
 三人とも顔に暗雲が立ちこめる。
「判らないダメ学生には、お仕置きだな。連射射撃開始!」
 郷嶋の声が飛び、三人は一世に射撃位置へ走り去る様にして戻った。
「…青木、お前判るか?」
「わかるわけないじゃないですか、先輩」
 そんなやりとりをしている二人に、砂川は優しく教えてくれた。
「今からの訓練を見ていると、判るさ」

 ガンガンガンガン!
 連射の銃声が未だかき消えない数秒の間に、弾倉を取り替えて新しいものを入れ、再び撃つ。カン…!と手から滑り落ちた使用済みの弾倉が小さな音を立てた。
「四秒六…遅い!それ以前に不合格!」
「お、遅いって…」
 銃を降ろした喜多村が、驚愕の顔で振り向く。
「十分早いのにー?」
 谷中も言われた言葉の厳しさに目をむいた。無言で小松も強張った顔で頷く。
「四秒視線外してたら、余裕で死ねるぞ」
 砂川はにこりと微笑む。
「交換弾倉を必ず保持、じゃなくてそのまま落としてたら軽く一秒は早くなりますよ」
「そうそう」
「…ですよ」
 呟いた若者たちに、郷嶋が鉄拳を制裁する。
「馬鹿かお前は。そんなに二階級特進したいのか」
 あだっ!わ!…!
 三人揃って頭を抱える。
「ああ…そういうことかい」
 木場が納得した様に嘆息する。
「え?なんです」
 不思議に思っていた青木は、木場を見上げる。
「つまりだな、弾倉落とした音で自分の位置がわかっちまうからだよ」
「あ…だからバラバラの弾倉、リボルバーじゃなくてオートマ使ってるんですね」
「正解」
 郷嶋が声をかける。
「意外と勘は良いな」
「意外は余計だ」
「それでさっきの質問の答えだ。…わかるか?」
 砂川は三人に振る。
「えっと…」
 暫くの逡巡の後、若者は答える。一番手は喜多村。
「木場さんたち一般経験における拳銃は、威嚇のために単発発射による銃声そのものを重きを置いて使用しています。ですが、僕らは相手の戦力消滅を主に使用します」
 続いて小松。
「…つまり、銃撃戦による連続発射をも通常使用のうちと考えます。ですから、自ら及び味方の安全上一気に弾倉をケース単位で速やかに交換できるため、です」
「また、木場刑事と青木刑事の言葉を統合して言い直すとー、室内接近戦の可能性が60%を占める対テロ戦において、破棄した弾倉の着地音で自らの位置を知らせてしまうことを防ぐために、個々の弾倉を排出するリボルバーよりも弾倉ケース一つで交換する形式の方が、リスクが少なく合理的であるから、でありますー」
 谷中が言い終えると、三人敬礼をした。
「よし、今日の所は合格」
 わあい!
 砂川の言葉に、若者らの歓声が上がる。
「ただし!お前ら弾ギリギリまで交換練習してからだ。お前ら揃って遅いんだよ」
 郷嶋の非情な声が響く。
「そんなー」
「合格って言ったのにー」
「…のに」
 ブーイングが上がる。郷嶋は無言で懐のブローニングを取り出すと、青木に向かってストップウォッチを放る。
「わ」
「坊や、はかっとけ」
 呟くが早いか、ドンドンドン!と連射し、流れる様に弾倉を銃身から抜き落とすと膝でそれをしっかりと受け取る。その間には既に新しい弾は充填され、標的は数発新しい穴を開けていた。
「二秒、三…」
 青木は嘆息と共に秒を読み上げる。
「うわ」
「なんだ今の」
「…早」
「だからお前ら、あと一秒は縮めろ。実戦じゃ死ぬことになるぞ」
「と、まあ…今後の目標が決定したところで、本日の教練は終了」
 砂川警部の暖かな終了宣言に、三人は手を取って喜ぶ。鬼教官から解放されるのだ。


 木場は今日ここへ来たのは大島課長と砂川警部の陰謀によるものだったのに、ようやく気付いた。
 こき使いやがって。
「まあ、使わねえに越したことァねえけどな」
 こんなもん。
 木場は片手に乗せた銃の重みを確かめる様にして、ため息に混じりに言う。
「そう、ですね」
 青木も苦笑混じりに答える。
「そりゃそうだ。俺だってそう思うさ」
「郷嶋さんも?それは意外でした」
「馬鹿言うな。俺だってお前らと同じ、治安を守る公務員なんだぜ」
 渋い顔で郷嶋はぼやく。
 そんな顔が意外で、そんな言葉が意外で。
 青木は面白くて吹き出した。






おまけ
「そう言えば青木さん青木さんー!」
「は、はい?」
「今の郷嶋先輩の早撃ち、見たよねー」
「…よね」
「は、はあ」
「すごいですよねかっこよかったですよねー!」
「惚れちゃったりしちゃったり?」
「…たり?」
「え、え、え?」
「あ、なんか顔赤くなってる青木君」
「ホントだ!それってもしかしてー」
「…図星」
「あ、そ、そそんなわけ…」
「そんなわけあるか!」
 青木の言葉に覆い被せる様にして、木場が一喝し、青木を持って帰ってしまった。
「あーああ。郷嶋先輩せっかくいいとこ見せたのにねえ」
「木場さんお持ち帰りー」
「…残念」
「お・ま・え・ら。まだ減らず口叩けるほど体力余ってるみたいだな」
「ぎゃー!!」
 





                                                             end.

Afterword

もろヲタ(しかも中途半端)ですみません…。

公安新人3人組は清梁さんの所のオリキャラをお借りしました!この三人すごい好きなんですよ…!ご許可ありがとうございました!!さっそく使わせていただきましたよ!…あんな役ですみません…つ、次にリベンジをば!
あわわ…銃器や昭和の警察官・公安員訓練に詳しい人すみません。
書いてみたかっただけ!対テロの話とか訓練内容云々は全くの妄想です…。参考資料は新谷かおるのまんがです!うわ!
しかし戦後暫く後の、「戦争経験者」と「戦争(軍事訓練)未経験者」の差って、やっぱりあったのかなあ、と妄想。ついでに刑事さんたちの持つ銃を見ていたら、むくむくと。原作にはいっさい載ってないので、適当に!一応、昭和戦後に配備されていた銃のうちから選びました。
郷嶋の銃は、私物持ち込み(律儀に銃所持許可証持ってたらいいよ)で!上海時代からずーっと愛用のブローニング(なぜか郷嶋にはブローニング!と固定妄想してます)。ブローニングでも携帯の便利な型(峰不二子ちゃんが持ってるやつ)にしようか迷ったけど、最上位モデルで、木場と青木のは、戦後警視庁が輸入したやつで配給品。種類は名前で決めました。えへ。木場は個人的にニューナンブ(両津勘吉の銃)が良いんですがあれは戦後もっと経ってからの開発だしな。文蔵のは名前で。ディティクティブー!
砂川警部はオリジナル。戦前の警視庁にあった、対テロ組織(戦後はSATですね)警官突撃隊の人を書きたかった…!
あと、常識人な郷嶋も描いてみたくて。あの人、京極世界で上位の常識人だよね。実は。で、鬼教官にもなって貰いました。これが書きたかっただけです、うへえ。
それと大島警部!!









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